若手社会人にとってライフプランニングが大切な理由
あなたは「ライフプランニング」をしたことがありますか?
あなたの人生で、いつ、まとまったお金が必要か考えたことがありますか?
毎年税金として何円が徴収されているか知っていますか?
貯金を始めとして将来に備えているあなた、それはどんなリスクに対しての備えなのか具体的に答えることが出来ますか?
少しでも気になったあなたは、是非この記事、ブログを通じて一緒に勉強していきましょう。
○ライフプランニングとは?
まだ20代〜30代前半であれば、一度も考えたことがない人も多いでしょう。どうしてですか?
- まだ結婚する相手も決まっていないから
- そもそも結婚するかどうかも分からないから
- 子どもが何人生まれるか分からないから
- 留学するかも決まっていないから
- 医局の人事で動くから、自分で予定なんか立てることができないから
「分からないから」「決まってないから」という理由が多いのですが、実は逆です。分かっていない、決まっていないからこそ、将来に備えるのです。実際どうなるかは分からないけれども、自分の夢や理想に向かって一歩を踏み出すために、ある程度の幅を持つ形で準備を始めておくのです。
まだ結婚する相手も決まっていなけれども、子どもは3人欲しい。いい教育を受けさせたい。ぼんやりとしていても、そういう希望があるなら、今から「子どもの教育資金」を積み立て始めたらいいんです。
そして後でも述べますが、お金は仕事をして、勝手に増えていきます。この仕組みをうまく使うか使わないかで、人生が大きく変わっていきます。
○あなたのリスクは?
あなたはリスクに備えていますか?
「僕は貯金をしているから大丈夫です。」
という答えは甘すぎます。それは何のための貯金ですか?
「万が一の時のための備えです。」
万が一って、具体的には何ですか?
リスク。色んな種類のものがあります。代表的なもので言えば
- 病気、怪我
- 職を失うこと
- 死亡
がありますが、他にも考えるべきことがあります。
その一つがインフレです。子どもの教育資金と思って貯金だけで500万円貯めたとします。今120円で缶ジュースを買えているけれども、インフレで缶ジュース1本1200円になってしまったら、その貯金では実質的に50万円の価値しかなくなってしまいますよね。
銀行への貯金しかしていない給与所得者、サラリーマンはインフレに弱いです。一方で不動産や証券を持っている資産家であれば、インフレと共に持っている資産の価値が上がります。
また一般的な企業であればインフレとともに給与が少しずつ上がりますが、公的な機関に勤めている人、医師の場合はなかなか給与が上がりません。(病院の売上は診療報酬点数によって決まっているので、2年の一度の改定でインフレに対応して診療報酬点数を引き上げなければ、医師の給与も上がらないのです。)
だからといって、先行きに過度な不安を覚える必要はありません。例えば医師でも出来るインフレへの対策は、証券やドルを持つこと、不動産を持つことです。
このように自分の人生におけるリスクを分類・整理して、準備していきましょう。
○お金は仕事をして、勝手に増えていく
「金持ち父さん 貧乏父さん」という有名な本を読んだことはありますか?
投資家、ビジネスマンであるロバート・キヨサキ書いた本です。
内容をまとめると、
多くの人は日々働いて、給料をもらって生きている。でもそれはお金のために働いているだけで、「自分のためにお金を働かせる」ということを学び、実践する必要がある。
という教えを説いていて、日本でもこの本がブームになったことがあります。
資本という言葉を聞いたことがあると思います。事業を通じて価値(お金)を生み出していくもののことです。一番わかり易いのは、土地でしょう。地主として人に貸せば地代が手に入ります。土地の上にアパートを建てて貸し出せば、毎月家賃収入が入ってきます。
それと同じように、お金も時間をかけて価値(お金)を生み出します。有望な事業に投資してその事業が成功すれば、投資したお金は増えて返ってきます。
そんなポテンシャルを持ったお金を、ただ貯金として銀行に入れておくのはもったいないですよね。
投資、株などの本を読むと(年間の)利回り3〜4%で運用しましょう、などと書いてあります。基本的に利回りを上げれば上げるほど、リスクは大きくなります。リスクが嫌だという人も、元手の100万円を複利2%で運用すれば、
- 10年後には121万円
- 20年後には148万円
になります。
株や投資は嫌だという方も、不動産や、もっと安全な生命保険などを利用して、「お金を働かせる」ことができます。
○自分の味方を増やしていく
これはとても大切です。
社会生活では、自分の味方になってくれる人がどれだけいるかによって、生きやすさや人生の豊かさが変わってきます。
社会人になれば自分でお金を払って、色んな契約を結んでいきます。不動産業者や生命保険の営業から声をかけられることもあるでしょう。質の悪い営業マンはたくさんいますし、不快な思いをしたこともある人は多いでしょう。私もよくわからない営業の電話はすぐ切ってましたし、そもそも病院の医師の個人情報が彼らに流れていることに怪しさと恐ろしさを感じました。
でも不動産業者や保険の営業の人も含め、いい付き合いができればお互いウィンウィンな関係を築き上げることが可能です。そのために必要なことが3つあります。
◇最高の営業マンを見極める
最低な営業マンは、調子のいい言葉を並べてこちらを騙しに来ます。並の営業マンは、自分の商品のことしか知らず、その商品を売りに来ます。優れた営業マンは、客(私たち)のニーズや欲求を上手くくすぐって自分の商品を売ります。
私たちにとって最高の営業マンは、本当のニーズや価値観を見極め、私たちのために動いてくれます。結果的に彼らの商品も売れます。
4種類の営業マンが出てきましたが、自分の目の前に、電話の先にいる人が、一体どれにあてはまるのか。それを見極める目を養う必要があります。
◇営業マンとの良いつきあい方
「最高の営業マンは、私たちのために動いてくれます」と言いましたが、彼らもあらゆるお客さんに対してそうしているわけではありません。ここに関しては、純粋な人間関係の世界です。
この人が好きだから手助けしよう。
魅力的な人だから応援してみたい。
この人にはお世話になってるから、自分も出来ることをしよう。
こんな関係性をお互いに築き上げます。確かに営業マンとの関係性の中にはお金も含まれていますが、お金を介している関係性の中にも、こういった人間関係を持ち込むことができます。
◇プロフェッショナルとして、他分野のプロに任せる
プロフェッショナルの定義も色々ありますが、私の定義では
自分の能力と限界を見極め、その範囲外に関しては他のプロフェッショナルを上手く利用できる人
と考えています。自分の仕事においては、当たり前のようにやっているのではないでしょうか。頭のことは脳外科に任せて、骨折や脱臼は整形外科、心臓は循環器内科、膠原病はアレルギーリウマチ内科に任せますよね。
社会で生きていると、あまりにも考えるべきこと、やるべきことが多すぎます。お金、資産形成、人生設計、保険、税金、相続。真面目な人は自分で勉強して、全部自分でやろうとしますが、実はその道のプロに上手く任せることも出来るんです。
保険のことは保険屋さんに、税金や相続のことは税理士に、不動産のことはその道のプロに任せる。
病院の中では当たり前のようにしていることが、意外に社会の中では出来ていなかったりします。そしてもちろん、任せる人は大切です。
以上、ライフプランニングに関する総論を述べていきました。面白いと思った方は、これからも勉強していきましょう。
不動産投資を始める上でのリスクと対処法
今から不動産投資を始めたいというあなた。きっと不安でいっぱいだと思います。それも当然!実際に不動産投資にはリスクはつきものです。
その不安を一つ一つの「リスク」として理解して、何ができるか考えてみましょう。
本記事では不動産投資を始める上で、よく考えるべき5つのリスクとその対処法を、投資や経営の経験がない医師でも分かるように紹介します。
◆空室リスク
個人的にはこの「空室リスク」が最も大切だと思います。マンションの一室を買って一人目の入居者が退去した時、次の入居者が決まらない。そのうちに1ヶ月経ち、2ヶ月と経っていく。その間もローンの支払いは続いている。
既に日本は人口減少の時代に入っています。一方でみなさんも感じていると思いますが、未だに新しいマンションやアパートは建ち続けていますよね。下手な物件を買ってしまうと、この「空室リスク」に悩まされ続けることになります。
唯一にして最善の対処法は、「いい物件を買うこと」につきます。大切なのは「立地」です!
- 地方よりは都会
- 駅チカ
- 治安や雰囲気が良い
- 今後その地域に、新しいマンションは建たない
こういった要素を加味して、今後も安定して入居者が入り続ける物件を選びましょう。
◆家賃下落リスク
特に日本の場合は「新築指向」がつよいです。新築のときの家賃に比べると、年々下がっていきます。一つの目安として、年1%程度は低下していくと考えてみてください。
また30年ほど年数が経っても、新築のときの70%くらいの家賃は保てると言われています。
「家賃下落リスク」はある程度あるものとして、事業計画を練る。ローンを組む以上、10年後、15年後の収支もシミュレーションしてみるということが大切です。
◆金利リスク
今はかつてない低金利の時代です。いまほど融資を受けるのに有利な時代はありません。不動産投資のローンも1%台で組めるようになった以上、今後は金利が上がっていくと考えていいでしょう。
例えば今だったら変動金利1.9%でローンを組めるとします。数年前に2.3%でローンを組んでいた人の金利は、今でも1.9%には下がっていません。変動金利は今後の情勢によって上がっていく可能性が高いですが、それでも最初にどのようなパッケージでローンを組んだかが大切です。
「金利リスク」への対処法としては、今後の金利が上昇する局面で、それまでの不動産収入や節税で貯まったお金を繰り上げ返済にあてることでうまく調整していくのが現実的だと考えています。
◆家賃滞納リスク
家賃が支払われない。今までサラリーマンしかしてこなかった社会人、医師にはその恐ろしさがピンと来ないかもしれません。家賃が支払われなくても、ローンの返済や不動産業務の管理委託費は毎月発生します。inがないのにoutだけある状態。こわいですよね。
「家賃滞納リスク」に関してはまず、「入居者の審査」を厳しくすることです。ただしそのためには、いい物件を購入して、こちらから入居者を選べるような土台をつくる必要があります。
他に家賃回収を業者に委託する手があります。てっとり早いです。デメリットは家賃の5〜6%の費用がかかることです。
◆火災・地震リスク
火災と地震のリスクをどう捉えるか。不動産物件を購入すれば、地震保険、火災保険には加入することになります。とはいえ、これは個人の火災や地震に対する考え、感覚によるところが大きいです。
「別に自分だって、日本で生きている限りこのリスクからは逃れられないじゃん」という人もいれば、「マンションは地震のリスクがあるから嫌だ」という人もいます。その人次第ですね。
お金に関して、賢く生きたいあなたへ
お金のことを知って、賢く生きる方法
皆さん、お金に関する正しい知識を持って、賢く生きたいですよね?
次のリストに一つでも引っかかるような人は、是非このブログを読んでください。そしてお金のリテラシーを一緒に学んでいきましょう。
- 稼ぎは一般の人よりも全然いいはずなのに、なぜか貯金が貯まらない。
- 自分が昨年何万円税金を払ったか分からない。
- 大学病院に勤めていて外勤もしているけれども、確定申告はしていない。
- 海外留学をしたいけど、お金の面で不安がある。
- 子どもが私立の医学部に行くかもしれない。一介の勤務医が学費を支払うのは大変だ。
これから世の中はどんどん厳しくなっていきますよ。日本は累進課税制度を採用しています。給与所得が高くなれば高くなるほど、納める税金の割合は高くなります。そして財政が厳しい政府は、高額給与所得者からより多くの税金をとろうとして、所得税率を上げていっています。
◆医師のライフプランニング
あなたはこれからの自分の人生について考えていますか?人生において、たくさんのお金が必要となる場面は限られています。
- いつ大学院に行くか?その時の収入はどれくらいが見込めるのか?
- 海外留学の予定はあるのか?
- 結婚、結婚式の予定は?費用は出せるか?
- 子供の教育費は?私立医学部に行きたいと言ったらどうする?
- 家は買う予定?
- 両親の生活費や介護費、医療費はあるのか?
- 相続の時に相続税を支払うだけの現金は用意できるか?
- 開業資金は?
- 自分の老後の生活費は?
あなたの場合はどうですか?ちゃんと自分の人生において、いつ、何のために、どのくらいのお金が必要なのか、是非把握して対策をしましょう。
◆お金のリスク対策
人生は何が起こるか、わかりません。自分の人生だけでなく日本や世界の経済状況も、わかりません。
わからないから、何もしない。
ではダメです。
わからないからこそ、起こるうる危機を、リスクを予想して、うまく対策する必要があります。
では医師として生きるあなたには、どんなリスクがありますか?
○インフレによる打撃
実は インフレは医師の敵です。特に貯金だけしているような医師は大打撃をうけます。
例えばおにぎりが100円の時代に頑張って1000万円貯めたとします。でもインフレでおにぎりが1000円になってしまったら、貯めた1000万円の価値は10分の1になってしまいます。
他に医師特有の事情としては、賃金の上昇が他の業界に比べて遅い可能性があります。
日本の病院、クリニックの収入は、診療報酬制度によって規定されてしまいます。2年、あるいは4年の間に急にインフレが進んでしまったと仮定してください。診療報酬点数は2年に1回しか変わりませんし、物価の上昇に合わせてすぐに診療報酬点数を上げてくれるとは思えませんよね。すると病院の売上は上がらず、医師の給料も上がらないのです。インフレの中、医師だけ置いてかれるとしんどいですよね。
○所得税率の引き上げ
世の中でお金を得る方法には、「労働所得(給与所得)」と「資本所得」があります。「労働所得」は誰かに雇用され、自分の労働の対価として受けとる所得です。「給与所得」という言葉のほうがわかりやすいと思うので、そちらを使います。一方で「資本所得」は持っている資本(土地や工場など)を運用することで得られる所得です。
一般的な医師の所得は「給与所得」になります。そして所得税とは、こういった「給与」に対して課せられます。「資本所得」に関しては別の税が課せられたり、また資本所得を得ている人たちは経費でうまく税負担を減らしたりします。
つまり「所得税率の引き上げ」によって税金の負担が多くなってしまうのは、高給与所得者であり、医師はその代表といえます。
◆医師の節税、不動産、資産形成
以上の理由から、医師がお金に関する正しい知識を身につけ、自分の人生とリスクを考えた上で、うまく設計していく必要があります。結婚や子育て、親の介護といったライフイベントに合わせて、必要なタイミングで十分なお金があるように準備する。今後訪れるかもしれないリスクに対して、うまく対策をしておく。
そのために必要なのが、「節税」であり、「不動産」であり、「資産形成」なのです。みなさん、このブログで一緒に色んなことを勉強していきましょう。